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2021年号(第2号)
No.2 (2021)
(2021年10月16日発行)
4DFF電子ジャーナルNo.2発行に向けて 日本画像学会 会長 佐藤 利文 (東京工芸大学) 4DFF電子ジャーナルNo.2の発行、誠におめでとうございます。
4DFF研究会は、2019年2月16日に日本画像学会内の研究グループ組織として設立されました。それまでの日本画像学会では、技術委員会の傘下に技術分野別に部会を置き、そこで技術研究会や研究討論会を通して新規技術の議論を進めていました。しかしながら、新しい分野を学会内に芽吹かせるには、これまでの組織の枠組みではなく、より広い人材が活動できる体制が適しているとの理由から、技術委員会とは独立したAM(Additive Manufacturing)タスクホースでスタートしたのが4DFF研究会の起点です。学会としてこの分野に積極的に関わり始めた当時は4DFP(4D and Functional Printing)の名称だったと記憶しております。3年程前、私が技術委員長だった2018年10月に開催された「Conference on 4D and Functional Printing 2018~ New Paradigm over 3D Technology ~」では、落合陽一先生の基調講演の後、データ・ソフトウェア、プロセス・応用、材料・構造の各分野の13件の講演があり、盛況に開催されたことが当学会の理事会でも報告されています。
私自身がプラスの加工である立体造形の技術を知ったのは、20年以上前のことです。当時、企業のディスプレイデバイス開発の研究所に在籍していた際、アナログの積層技術がプラズマディスプレイの隔壁形成に使われていることを知りました。後に、そのプロセスはマイナスの加工であるサンドブラスト法に置き換えられ、さらにはプラズマディスプレイも市場から去るという運命を迎えますが、アナログの積層技術の限界を垣間見た瞬間でした。
2Dから3Dへ発展し、さらに4Dへと進化しているこの領域は、我々画像関連分野の研究開発に携る者にとって、限りない夢が詰まった玉手箱のような存在です。何が出てくるかは、これからの技術の進展に委ねられる部分がありますが、日々多種多様な機能を持った新しい材料が開発され、様々な技術が融合して、これまでに無い、これまで創ることが出来なかった形のものが、世の中に出現してくると期待されます。夢が現実になり、特別なものが当たり前のものになるのは、すぐそこまで来ているかもしれません。それを考えると、わくわくドキドキしてきます。
来る2021年10月末には、Conference on 4D and Functional Fabrication 2021〜 New Paradigm over 3D Technology 〜が開催されます。これまでの既成概念にこだわらず、新しい価値の創造という、モノづくりの枠を超えた議論が進むと期待しております。
最後に、これまで4DFF研究会の創設以来ご尽力いただいている関係各位に敬意を表するとともに、4DFF研究会の更なる発展を願って締めくくりといたします。
4DFF論文誌No.2編集後記 藤井 雅彦(慶應義塾大学SFC研究所/inkcube.org) 4DFF電子ジャーナルNo.2を10月16日に発行することができました.投稿者,関係者のみなさまのご協力に感謝いたします.No.2に掲載された論文も新しい価値を創造し,豊かな社会実現への貢献につながるものであり,多くの方に読んでいただけることを期待しています.
R. HendersonとK. Clarkは1990年に発行された著作*の中で,新しい価値創造の結果として起こり得るイノベーションについて,技術的背景から4つの分類を行っています.ここではCore Component(中心技術)の維持/変換という横軸,Architecture(システムの組み合わせ)の維持/変化という縦軸から,Incremental/Modular/Architectural/Radicalの4つのInnovationの可能性を示しています.
4DFF電子ジャーナル,あるいは4DFF研究会のスコープは特定の技術領域や方法論を対象としておらず,「これまでの3D造形・再現技術を超えていく新しい価値創造を⽬指した研究・開発」としています.つまり4DFFで謳うスコープのもとに集まった研究・開発成果はHendersonやClarkの分類における横軸にも縦軸にも制限を加えておらず,4つのタイプのInnovation全てにつながるものであり,言い換えれば4DFFはInnovationにつながるパスとして多くの入り口を用意していることになります.
「4DFF」という名称から,各自の研究・開発からはとても遠い,全く違う領域,世界とは考えず,みなさまのあらゆるイノベーションの創出活動そのものが,ここに集い,発表されるべきものとして,今後,コンファレンスや電子ジャーナルでの投稿や発表をしていただけると信じています.
*R. Henderson & K. Clark, Architectural Innovation: The Reconfiguration Existing Product Technologies and the Failure of Established Firm (1990)
論文
インクジェット型Additive Manufacturingにおける積層界面の光学的性質
山崎 淳,古宇田 光,菊池 健一
The Journal of 4D and Functional Fabrication, No.2 pp. 1-12 (2021)
発行日:2021年10月16日
公開日:2021年10月16日
DOI:https://doi.org/10.34498/4dff.2.1
3Dプリントプロダクト価値創出設計のためのAshby Mapに基づくArchitected Materialデータベースの構築
岡崎 太祐,淺野 義弘,櫻井 智子,佐倉 玲,島田 旭緒,仲谷 正史 ,田中 浩也
The Journal of 4D and Functional Fabrication, No.2 pp. 13-22 (2021)
発行日:2021年10月16日
公開日:2021年10月16日
DOI:https://doi.org/10.34498/4dff.2.13
@日本画像学会 The Journal of 4D and Functional Fabrication 発行日 2021年10月16日 発行人 田中 浩也 発行所 〒164-8678 東京都中野区本町2-9-8-5 東京工芸大学内 一般社団法人日本画像学会 4DFF研究会
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