開催レポート / Award 発表
report
4DFF2020 大盛況にて終了いたしました
2020年10月15日(木)・16日(金) と二日間に渡る開催となった「Conference on 4D and Functional Fabrication 2020」は、30名を超える発表者、160名を超える方にご参加いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。ご参加いただきました皆様に心より感謝申し上げます。
開催に至るまで
本年の4DFF2020 は昨年の4DFF2019に引き続き、慶應義塾大学のキャンパスで開催する予定でした。4DFF2019終了後、すぐにスタッフは次年度の開催に向けて動き、冬には既に会場も確保し、広い会場で皆様をお迎えすることをスタッフ一同楽しみにしておりました。
ところが、皆様ご存知の通り本年は「新型コロナウィルス感染症」という想像もしていない事態に世界中が見まわれ、緊急事態宣言が4月に発令されるに到り、我々実行委員も今年の開催をどうすべきか非常に悩みました。
実際に研究者と聴講者が対面するからこその盛り上がりを我々も皆様も知っています。実際に「モノ」を見せての解説を行うショーケースはどうするべきなのか。カンファレンスの在り方から論じました。
そしてオンライン開催へ
議論を重ねた結果、オンライン開催への切り替えを決断いたしました。
終了した今となっては、発表者も参加者もzoomを使っての学会発表・参加に慣れた頃合いとなっていますが、オンライン開催への切り替えを決断した頃はまだ、オンラインでの開催はどうなるだろうと未知数への不安も多くありました。
が!蓋を開けてみると!
発表申し込みが殺到し、とても一日の開催では時間が足りない、と二日間の開催にしよう!と今度は嬉しい決断をすることとなったのです。
オンライン開催ということで、会場まで実際に足を運ばねばならない、という「距離」の制約が無くなることの作用は予想していましたが、「発表申し込みの増加」という、学会の活性化に何よりも嬉しい結果の一つを得ることが出来ました。
30名超えの発表者、160名超えの参加者
オンライン開催であるために、160名の皆様の「熱気」をリアルタイムにお伝えすることは出来ませんでしたが、とても内容の濃いプログラムであったことは、皆様に感じていただけたのではないでしょうか。
1日目の招待講演では山形大学の小川 純先生による「ソフト材料開発と 3D プリント技術で拓くソフトマターロボティクスの分野横断的統合アプローチ」のご講演からスタート。
ロボットと人を繋ぐ「やわらかさ」というキーワードによる研究は、想像より進んでいることを実感した方も多いでしょう。
2日目に登場いただきました東京大学 山中 俊治先生によるキーノート「AMを核としたものづくりの未来 - 量産社会の常識から逃れるということ」。映像に登場した有機的な動きをする様々なものに驚きの連続であったと思います。これは是非、リアルの会場で一つだけでも実物を観たかった!
そして最後の大トリのSpecial Session「五輪エンブレムから立体/3Dプリンティングへの幾何学的展開」は、なんとあのTOKYO 2020 五輪エンブレムデザイナーの野老朝雄先生の事務所からの生配信!
平本知樹さん、湯浅亮平さん、江口壮哉さん、田中浩也先生らスペシャルチームが対談しながら、平面が立体へと展開されていく様子に、私も思わず息を呑んで見守っていました。
口頭発表では、学生や若手の研究者に多数発表していただきましたが、昨年とはまた色合いの違った発表が多かったのも、この4DFFの広がりを感じさせました。
ショーケースでは、事前に動画を流し、それぞれの発表者へのzoom部屋に入っていただく、という方式に。新たな取り組み故、発表者も聴講者も戸惑うこともあったかと思いますが、距離感なく質問を密に掛けられるなどメリットもあったようです。オンライン開催でのショーケースの発表のあり方は、今後もどのようにしていくか検討を続けていきたいと思います。
4DFF2020 Award受賞者発表
昨年は、ショーケースの展示では実際の参加者の皆様にご投票いただいたのですが、今回はすべてのAwardは、実行委員会にて決めさせていただきました。
なにせ30名超え、そしてどれも熱の入った研究発表でしたので、委員会メンバー一同嬉しい限りながら、大変でした! 大会実行委員長からこれは是非に!と当日飛び出た「大会実行委員会長賞」も登場いたしました。
最後のエンディングで発表させていただきました、受賞者の皆様はこちらになります。
受賞おめでとうございます!
4DFF2020 Award
Graftin' Craftin': 接ぎ木と針金かけを用いた樹木の生長過程での形状制御による収穫可能な動的機構の生成手法
千葉 一磨 (早稲田大学)
4DFF2020 Student Award
振動透過抑制可能な複合材ラティス構造
船場 海斗 (愛媛大学)
4DFF2020 Student Award
パラメトリック・シンセシスを通じた,イヌ用義足データのカスタマイゼーション・サービスの実装
佐倉 玲 (慶應義塾大学)
4DFF2020 Best Showcase Award
Differential Growth Model を用いた建築スケール 3D プリンティングへの通気性付与
名倉 泰生 (慶應義塾大学)
4DFF2020 大会実行委員長賞
Functgraph の応用と機能生成の考察与
黒木 優人 (明治大学)
記念撮影
今年の記念撮影は、撮影ならぬ記念キャプチャ!実行委員の一部と受賞者、そして大トリのSpecial Teamの皆様で撮影を行いました。
皆様にとって4DFF2020が新たな発見の場となりましたら幸いです。
来年、またお会いしましょう!